後脛骨筋と偏平足の関係
1.後脛骨筋とは
後脛骨筋は、ふくらはぎの奥にある筋肉です。
すねの骨の裏側から始まり、内くるぶしの後ろを通って、足の裏にある複数の骨につながっています。
主な働きは、次の3つです。
・つま先を下に向ける
・足の裏を内側に向ける
・土踏まずを支え、歩くときに足を安定させる
つまり後脛骨筋は、すねの裏側から足の裏にかけて、土踏まずを支えている筋肉です。
2.後脛骨筋は偏平足に関係している
後脛骨筋は、土踏まずを支える重要な筋肉です。
後脛骨筋や、その先につながる腱の働きが低下すると、土踏まずを支えにくくなり、偏平足が進むことがあります。
また、土踏まずが低く、歩くときに足が内側へ大きく倒れ込む人では、後脛骨筋の腱が繰り返し引っ張られ、負担がかかりやすくなります。
つまり、
後脛骨筋の機能が低下して偏平足になる場合もあれば、偏平足によって後脛骨筋に負担がかかる場合もあります。
3.偏平足は後脛骨筋だけの問題ではない
土踏まずを支えているのは、後脛骨筋だけではありません。
足の骨や靱帯、足の裏の膜、足指や足裏の筋肉などが協力して、足のアーチを支えています。
さらに、足首の硬さ、靴、体重のかけ方、立ち方や歩き方なども関係します。
例えば、足指や足裏の筋肉がうまく働かず、歩くときに足全体で地面を支えられないと、足が内側へ崩れやすくなることがあります。
その結果、土踏まずが低くなったり、それを支えようとする後脛骨筋に負担が集中したりする可能性があります。
そのため、偏平足を見て、すぐに「後脛骨筋が弱い」と判断することはできません。
後脛骨筋だけを鍛えるのではなく、足指、足首、歩き方なども含めて考える必要があります。
4.偏平足への対策
まずは、痛みがあるかどうかを確認します。
土踏まずが低くても、痛みがなく、歩行や運動に問題がなければ、必ずしも治療が必要とは限りません。
痛みがない場合には、次のような運動が対策になります。
足指を動かす
足指を開く、閉じる、親指とほかの4本を別々に動かすなど、足指を自分で動かす練習を行います。
タオルを足指でたぐり寄せる運動も、足指を動かす練習の一つです。
ただし、足指を強く握るだけではなく、足指の付け根から動かすことが大切です。
足裏全体で体重を支える
立ったときに、
・親指の付け根
・小指の付け根
・かかと
の3点に体重を乗せます。
足指だけで床を強くつかむのではなく、足裏全体で安定して立つことを意識します。
かかと上げを行う
両足でゆっくりとかかとを上げます。
かかとが大きく外側へ流れないようにしながら、親指の付け根にも体重を乗せます。
この運動では、後脛骨筋だけでなく、ふくらはぎ全体を鍛えることができます。
靴を見直す
靴が大きすぎると、靴の中で足が動き、足指を不自然に丸めることがあります。
反対に、靴が小さすぎると、足指を十分に動かせません。
かかとが安定し、足指を無理なく動かせる靴を選ぶことが基本です。
痛みがある場合は注意
内くるぶしの後ろや下、土踏まずの周辺に痛みや腫れがある場合には、後脛骨筋の腱に炎症や損傷が起きている可能性があります。
また、
・片方の土踏まずだけが低くなってきた
・歩くと足の内側が痛い
・片足でつま先立ちができない
といった場合には、自己流で運動を続けず、整形外科などに相談してください。
まとめ
後脛骨筋は、土踏まずを支える大切な筋肉です。
しかし、偏平足は後脛骨筋だけで起こるものではありません。
足指や足裏の筋肉、足首の動き、靴、立ち方や歩き方なども関係しています。
そのため偏平足への対策では、後脛骨筋だけを鍛えるのではなく、
足指を動かす
足裏全体で立つ
かかと上げを行う
靴や歩き方を見直す
といった、足全体への取り組みが大切です。
※痛みや腫れ、足の変形がある場合には、医療機関へご相談ください。




